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保険会社との交渉 1

事故があった1月5日の翌日から土・日・月と連休で、私はAさんの保険会社(日本興亜)の事故担当者と8日まで連絡を取ることができなかった。私は早く病院に行って異常がないか検査だけでも済ませたかったのでニッサンの営業の人に無理を言い、日曜日の夜から水曜日の朝まで特別に代車を出してもらった。(その後、21日の月曜日まで代車なしの生活である。)医者の診断は「首と肩の筋肉が少し張っている。軽い捻挫で様子を見る。」ということで特に異常はなかった。翌日は張りもとれた。

やっと9日になりAさんの保険会社の事故担当者(女性Eさん)から電話で連絡があった。Eさんは今回のような、直進と右折の車の衝突の場合、責任割合は8:2が基本だと言う。また、100:0でないからすぐに代車は出せないという。私はCさんの車が私の車の後部ドアと後輪にぶつかってきたことを含め事故の状況を説明してこちらに過失はないことを説明するが、「過失には2種類ある。今回、危険を察知した後に回避行動を取る事が出来なかったことは認めるが、そこにいたるまでに安全運転の注意を怠った責任がある」と言う。「スピードを出してもいない、センターラインに寄ってもいない。過失はない」といっても「Aさんが右折のウィンカーを出していたのは見たでしょう。それを見たのだから安全に注意して運転しなくてはいけない責任がある」という。

Eさんは、事故現場に至るまでに安全に運転しなくてはならないのに私がそうしなかったといいたいようだ。何故そういうことをいうのかよくわからない。スピードを上げたり、センターラインに近づいたりして対向車に近づけば、事故の危険性や被害も増えるからそれは直進車の過失になることは理解できるがそういう運転はしていない。

また、昼間なら運転手の顔も見えるし、道に迷ってきょろきょろしていたならその様子が見えたかもしれない。Eさんは私が何か異常に気づいたはずだといいたいのだろうか。街路灯はあっても対向車のライトと車体の輪郭しか見えない状況で、こちらのどんな注意不足を考えて言っているのか全く想像すらできなかった。変なことを言うと思ったが、「ウィンカーを出しているのを確認してもあのような曲がり方を予測できるわけではないから何かできるこてゃなかった。こちらに過失はない。とにかくBさんやCさんに事故の状況をきちんと聞いてくれ」と言って電話を切った。

電話を切る前に、既述したロータリーの不適切な回り方等にも言及したが、Eさんは「事故と関係ありませんからそんな話は聞きたくありません。」と言う。こちらとしては、異常な右折の仕方の背景として、事故の衝突とロータリーの回り方に、同じ原因つまり左側がよく見えないということがあるのではということを言いたかったわけだがそのように説明してもEさんは聞く耳を持たなかった。メモしていなかったので字句や言い回しなど正確ではないかもしれないがだいたいこのようなやりとりであった。

Cさんにその後電話すると、Eさんから電話はあったが、訊かれたのはCさんの車の破損状況についてだけで、事故状況については何も訊ねられなかったという。

事故現場

Eさんは電話で現場が「Y字路」であると何度も強調していた。確かに拡大した地図でもY字形だが、現場では右折するにはゼブラゾーンを大きく回らなくてはならず、ななめに右折してよいところではない。Eさんは現場にも足を運んでいなかったようだ。

代車を日産に10日に返し、毎日歩いて帰宅する途中、現場で右折車の右折の仕方を何度も観察した。ゼブラゾーンを廻ってきちんと右折の矢印にそって回る車と、ゼブラゾーンを無視し、その手前10数メートル手前で脇道にまっすぐななめに入るように右折する車と2種類にわかれる。後者が多いのも事実だ。(ただ、直進車を待ちながら曲がる場合の割合については長時間観察したわけではないのでなんとも言えない。その割合が今回の過失に影響するわけではないが。)現場のすぐ前の住人の話では、このゼブラゾーンは、この三叉路で事故が多いために最近設けられたのだそうだ。Aさんがゼブラゾーンをきちんと回る形で右折しておれば事故は起きなかったはずだが、もちろん、ななめに行っても、右折のタイミングをきちんと守ればもちろん事故は起きなかった。

セゾンの対応

実は今回の事故後のやりとりで当初最もあきれたのが、相手方の日本興亜の対応ではなく、私が加入しているセゾン自動車火災の対応である。休日中の臨時の対応は丁寧で迅速だったが、9日の月曜になり、事故担当者と電話で連絡が取れた際、こちらに過失はないから過失割合は100:0であると私の主張を言ったところ、「そう主張されるのであれば私達は交渉できません。Aさん(私)が直接相手方の保険会社と交渉してください。法律上、交渉できないんです。」と言う。「交渉は、こちらに過失があるという前提でおこなうわけではないでしょう。過失がある場合もない場合も可能性として含めて交渉するわけだから100:0を主張するなら交渉できないというのはおかしい。そんな法律あるわけないでしょ。」といっても聞いてくれない。100:0を主張する根拠は何かぐらい私に聞いてもよさそうなのにそれもない。交渉の資料を教えてくれるわけでもない。「はい、わかりました。私が交渉します。」と言って切ってしまった。その後、ある調停機関に調停のための呼び出しを受けるまで私に連絡はなく、私が促したCさんへの聞き取りも、呼び出しの連絡後にやっとあったということを後日Cさんに聞いた。どちらの保険会社も事故の原因を個々の場合に即して調べようという姿勢が感じられない。

Bさん宅で

加害者のBさんがきちんと日本興亜の担当者に話をしてくれたのか心配になり、9日夜、Bさん宅を訪ねた。Bさんは面会の当初どういうわけか私が事故の現場でBさんに暴言を吐いたと言って怒っていた。どうも私とCさんを間違って記憶したらしい。その誤解を解いた後、Bさんに過失があって私にはないことを日本興亜の事故担当者にきちんと伝えるよう頼むと、「誰が見たって明らかだから、ちゃんというから」と何度も答えていた。このときBさんは自ら左側がよく見えないとおっしゃっていた。

保険会社との交渉 2

10日、保険代理店のDさんに電話をかけた。取引先である日本興亜のEさんにきちんと報告をしてくれたのか確認するためである。電話に出たDさんは「じゃあ、明日いっしょに日本興亜に行って談判してやるから」と言った。翌11日、BさんといっしょにDさんの車に乗り日本興亜の事務所に向かった。

事故の担当者は女性のEさんから男性のFさんに代わっていたが、交渉では最初に私のキューブの査定と修理見積もりが示された。それぞれ69万2千円と69万8千円だった。修理代はこの時点で調べが途中でまだ増える見込みがあるがそれは支払いに含まれるという説明だった。代車については80:20を認めて修理にすれば出すこともできると言われたがもちろん認められるわけがない。(その後、修理代は91万6681円となったが、私は修理する方を選択し、やっと代車の手配の準備が整い、22日に代車を手に入れた。)

話し会いが始まると、Dさんは取引の相手という関係からか前日の威勢のよさは消えて、落としどころうんぬんという話しかしない。Bさんも事前に話はするなと言われているのか、保険会社に悪いと思っているのか(保険会社ではなく私にまず悪いと思うべきだと思うが)何も話さず、「私の車が見えていたのか」という質問にも答えないのには正直がっかりした。しかし話のポイントは私の過失があるかないかという点なので気持ちを切り替えて話を進めることにした。

Fさんの主張はEさんと基本的には同じだった。この時、判例集のコピーを見せられたがそれに沿った話はしなかった。交渉の目的は事故がどのようにしておこったかを明らかにすること、そしてそれに基づいて、A・B双方にどのような過失があるかまたないかを明らかにすることであって、必ず判例に従わなければならないというものではないからだ。今回の場合、右折車は直進車の進行をさまたげてはならず、Cさんはそれに明らかに違反したのだからBさんの過失は明らかだ。それは事故の当事者全員が認めている。

問題はAである私に過失があるか、あるならそれは何かということだ。これについては私に過失があると言っているのは、当事者ではなく日本興亜だ。Eさんと同様Fさんは私が危険を察知するまでの安全運転に過失があるという。「どのような過失が私にあると思うのか、具体的に言ってほしい。それがわからなければ納得できるはずがない」と私は尋ねた。Fさんはそれでも具体的な過失の話をしないので、「どのような運転をすればよかったのか例を挙げて言ってくれ」というと、「ブレーキを踏む」とか「クラクションをならす」とか言い出した。ブレーキを踏むとは危険を察知して事前にの意味だろう。Bさんが事故に至るまでも危険な運転をしていた、あるいは危険な右折をしたのは事故後にわかったことであって、予知能力でもない限りあのような状況で危険を察知することはできない。私が三叉路にさしかかったときにはBさんの運転に異常は見られなかった。危険を察知もしないのにそんなことをしていたら日本中渋滞してしまうだろう。クラクションを鳴らすというのも危険を察知すればの話であって、反って危険を招くこともある。それとも危険を察知できなかったことが過失といいたいのだろうか。

Fさんに「あなたは右折車の横を過ぎる時にいつもそのような運転をするのか」と聞くと「それとは話が別だ」とFさんは答えた。「では、私に過失があるというのだからどんな過失か具体的に言ってくれ」と言っても、「すでにお話しましたように」と同じことを何度も繰り返すばかりで私の過失の中身については「こうかもしれない」というような可能性のあるものさえ具体的には指摘してくれない。私に過失があると言っているのに、どのような過失なのか具体的には何も言えないのだ。納得できるはずがない。特に積極的に私の過失について説得するわけでもなく、理不尽な主張であってもただ私が妥協して折れるのを待つという態度である。話は決裂し、ある調停機関に調停を依頼することにした。

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